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2013/04/01

異動の季節

 大学を移りました。大学院を終え、研究生を士ながら博士号を取得し、そうして就職した大学には結局7年間在籍したことになります。このブログを始めたのはその頃で、だからそろそろここも7年になろうとしています。細々とは言え、ずいぶん続いているものです。

 あの場所に7年間もいることになるとは思わなかったけれども、その間に大学院生の気分から抜けられなかった私もある程度は教員としての自分を確立できたように思います。たくさんの学生たちを見送り、その度に新しい学生を迎え、彼らに私の持っているものを教えながら、彼らの反応から多くを学びました。彼らにとってどんな講義で、どんなゼミであっただろうと思うけれども、その全てを彼らが答えられるわけではなく、この手応えだけを携えて次に進まなければならないのでしょう。

 大学の教員になった時に、私は2つの目標を持っていました。1つは私が教えた学生たちが大きくなった時に、良い先生に学びましたねと言われるような教員になること、そしてもう1つは社会が戦争へと向かおうとする時にそれを止められるような知識人であることでした。今の日本を覆い始めているこの閉塞感が、戦争に向かう危機感をも生み出しているようにも思えますが、そうであればこそ必要なのは日々の営みを携えて、変わらずに教壇に立つことだろうとも思います。なぜ人が争うことが望ましくないのかは、心について学ぶことの中にすでに語られているからです。
 自分がどの程度、始めに抱いていた目標に近づけたのかは分かりませんし、これからの姿がむしろ意味のあるものなのでしょうけど、あの場所での生活はとにかく、そうして終わりを告げました。

 当たり前のようにいた場所を離れることは私の心を揺らしましたが、それもゆっくりと収まってきました。

 今度の場所では、ゼミ生を持ちません。特殊な環境の中で教育と研究に取り組むことになりますし、これまでとは違う変化がすでに私を待ち受けています。変わらないのは臨床を続け、研究会を続け、論文を読み、研究として積み重ねていくことだけでしょう。このブログも相変わらず細々と続くのではないかと思います。
 巣立っていった学生たちに感謝の言葉を述べながら、ここを見てくれている皆さんにも同じく感謝を表明したいと思います。ありがとうございます。
 そしてこれからもよろしくお願いします。

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