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2008/03/12

Peter Fonagyについて(1)

 愛着理論は当時のKlein派から離反したBowlbyの発展させた理論で、その研究は主に発達心理学、または社会心理学の領域で行われてきた。というのが、数年前までの愛着理論と精神分析の関係だ。けれども、この10年ほどの間に愛着研究の臨床領域への接近は明確になり、それは精神分析理論との関係においても見られるようになってきた。その中心にいるのがPeter Fonagyであり、このエントリはそのFonagyが来日することと関連して書かれている。

 Fonagyはイギリスの臨床心理士で(私はてっきり精神科医だと思っていた)、アンナ・フロイト・センターの所長をしていたり、ロンドン大学のフロイト記念教授であったり、英国精神分析境界の訓練分析家であったり、とりあえずその肩書きが多い人のようだ。ホームページはこちら。専門は境界例(この境界例はどうやらKernbergのいう境界性人格構造を持った人々を指しているらしく、いわゆる境界性人格障害ではないよう)であり、同時に著書を読む限りでは児童の分析も行っているようだ。

 アメリカの科学番組らしきCharlie Roseに出演したFonagyの動画はこちら

 愛着理論と精神分析に関心を寄せるものとしては、Fonagy、Slade、Holmesなど何人かの人物は避けて通ることのできない研究者になるわけだが、その中でもとりわけFonagyの研究はかなり本格的なもので、最終的にそれらはMentalization Based Treatment(MBT)へと収斂していく。今回彼が来日するのはその研修会というか、セミナーを行うためで、Fonagy、Bateman、Bleibergという顔ぶれでの来日のようだ。ネットで検索をかけてみたが、この情報は出ておらず、これを主催する団体の情報もほとんどない。そのため、これをどこまで公開していいのかを迷いながらエントリをあげるのを延ばし延ばしにしてきたのだけど、もし関心がある人がいたら連絡をください。私には別に広報をする義務も権利もないのだけど。

 さて、そのFonagyだけれども、現在のところ彼の書いたものを日本語で読めることはほとんどなく、またおそらく日本でもほとんど知られていないのではないかと思う。私が彼の名前を日本語の文章の中に最初に見たのは、前回福岡で精神分析学会が行われた時で、その時講演をしたGabbardの論文の中にreflective functionの説明とともに一言言及があっただけのように思う。
 しかしこの3月にはその来日に合わせて、2冊の翻訳が出版される予定だ。1冊は2001年に出版されたAttachment theory and psychoanalysisの翻訳(こちら)、もう1冊は先のMBTについてなのだが、それが何だったかを失念してしまった。MBT関連の書籍は2006年に2冊出版されており、2004年に1冊出ているのだが、おそらく2006年のこれ(Mentalization-based Treatment for Borderline Personality Disorder: A Practical Guide)ではないかと思う。翻訳の情報はこちら。ただ、そのサイトの情報によると第1著者Fonagyになっており、MBTに関してはいずれの本もFonagyは第2著者のようで、そのあたりもちょっと分からないところではあるのだけれども。

 というところで、何となく力尽き、続きは後日に回します。このエントリがいつまで続くのか、どこに落とし所があるのかは分かりませんが、セミナーは28〜30日なので、それまでには終焉ないしは終演を向かえることと思います。

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