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2007/09/05

質問紙

 抱えていた仕事の1つが一段落で、久しぶりのエントリ。リハビリもかねてほとんど独り言だけれども。卒論生や修論生が調査のための質問紙を探す時にわりと参考にするものに、「心理測定尺度集」というのがある。それについてのエントリ。

 この尺度集、広い範囲の質問紙が一覧できて、ちょっとこういう尺度ないかな、と思った時にぺらぺらとめくるとそれっぽい質問紙が見つかったりする。それはそれで便利なのだけど、でもよく注意して文献のところまで見てみると、そういった質問紙のかなりの数が紀要や大会発表論文集を出典とする質問紙であることが分かる。紀要に論文を書くことや学会で発表することは、それはそれで意味があることだけれども、その質問紙が一定の妥当性と信頼性を有しているかは査読を経ているかどうかが1つの基準になるのであって、そこに至らない紀要や大会発表論文集でとどまっている質問紙を使うことには注意が必要だろう。
 どういった基準でそうした質問紙がこの尺度集に掲載されているのかは分からないが、そしてそこでどのようなチェックを編集者が行ったのかも分からないが、便利であるだけに本当にその質問紙でいいのかという確認を怠らないようにしないといけないのだろう。

 そうでなくとも、質問紙を使用する際にはその質問紙が自分の研究目的に一番添ったものであるかどうかを、自分一人でだけではなく、指導の教員であったり、同じゼミや他のゼミの同僚であったりと一緒に考えなければならない。同じようなことを聞いているようでも実際はずいぶん違う内容を捉えている質問紙があるし、そのために自分が捉えるべき現象とはいくらかズレたものを捉えていることがしばしば生じてしまう。質問紙の選択は臨床系の人が一般に想像しているよりもずっと慎重な検討が必要なのだ。ここで言う「臨床系の人が一般に想像しているよりも」、というのは、あくまで私がこれまで見聞きした範囲ということだけれども。
 卒論生のレベルでそこまでを要求するのは無理な大学もあるとは思うが、修論生であればそうした確認は怠らないようにしたいところで、それはそのまま指導をする側の私たちの問題でもある。そんなことを話す機会があった。

 それにしてもこの尺度集、そういう目で見ると確かにあやうい質問紙が多いなぁ、と思ったりする。自戒の念も込めてそんなエントリでリハビリ中。

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